released March 9, 2012
[PSTnet-006]
初音ミク sings "恋のいじわる"ep / Theムッシュビ♂ト×エリアル
1.夏に君とラムネを飲んだ間接キスだったずっと君といると変な気持ちだったけどあの瞬間の心臓の音は君にも聞こえるんじゃないかってぐらい大きい音だった by ・1110.λ
2.恋のいじわる(2012 New Mix)
3.恋のいじわる[6v6_Answer _remix]
4.恋のいじわる(sdhizumi House Remix)
5.恋のいじわる magical cutie mix remixed by 桃色技術音楽堂
6.恋のいじわる(愛と憎しみは紙一重 Remix)remixed by HASEGAWA4200
7.IJIWARU Landscape (kotatsu)
8.恋のいじわる(プログラムは恋を知らず mix)remixed by Daisuke Ohnuma
9.恋のいじわる wBUFFAw edit
10.恋のいじわる -Shoegazer Arrange- rearranged by やまじ
11.恋はいじわる?(secret track)
Art Work/中川一
Free Download→
www.mediafire.com?yu48lxz8h9g3dcb
Free Download(mirror)→
www.ziploader.net/dl.phpx?id=ziploader11093
「ミクの日」にリリースされたリミックス盤を兼ねたEP。全9名のリミキサーが参加している。
以下、本作に封入のライナーを転載。
*全曲解説
Theムッシュビ♂トの楽曲は、全て「自身の実体験をベースにした脳内映画のサウンドトラック」という意向で作曲されているのだが、本作は「ヒロインとバンドを組むかもしれないという話になり、一緒にバンド活動をするところを妄想する」というシーンで「使用」された楽曲である。
その為、歌詞世界は他の作品の「セルフドキュメンタリー」という志向性から離れ、ポップさに特化した雰囲気となっている訳であるが、それ故に「意志を持たない歌手」であり「希代のポップアイコン」である初音ミクさんの歌唱はベストマッチングと言えるのである。
2007年に作曲されるも放置、2010年ボーカロイド曲としてリメイク、公開という意外と歴史のある本作も、こうして晴れてニューミックス&9つのリミックスによるEPとして初音源化を果たした訳であるが、当然の話の流れとして、私と並ぶもう一人の主役・エリアル氏にも触れておきたい。
エリアル氏は、カヴァーやMMD動画制作を中心にニコニコ動画上で活動しているボカロP(ボーカロイド作品の作者)である。オリジナルのボカロ曲は現時点では発表していないが、その職人的な調声技術を持って本作をカタチにして頂いた。「ツールとして」以上にボーカロイドを愛でる氏の愛故の良質な歌声、コーラスアレンジが本作を支えている。皆様にはその辺りにも是非耳を向けて頂きたい。
1.夏に君とラムネを飲んだ間接キスだったずっと君といると変な気持ちだったけどあの瞬間の心臓の音は君にも聞こえるんじゃないかってぐらい大きい音だった by ・1110.λ
ブレイクコア/IDMを中心にして活動しているアーティスト・1110.λによるリミックス。タイトルと本トラックの織り成す空気感は、片思いをテーマにした原曲のセンチメンタリズムだけを濃縮還元したかのようで涙腺直撃。その雰囲気を本ep全体のイントロダクションと位置付け、1曲目とした。それにしても、間接キスとかやばいですよね。宇宙が生まれますよね。
3.恋のいじわる[6v6_Answer _remix]
ネットレーベルやニコニコ動画を中心に活動しているアーティスト・6v6@琵琶湖Pによるトリビュート・トラック。「原曲を思いながらギターを弾きました!」と言われたので、作品提出時に「リミックスになりませんでした!」と言われたのだが、これも広義のリミックスであろう。ハードロックの宅録による解釈もまたJ-POPの王道!
4.恋のいじわる(sdhizumi House Remix)
D.S.K Recordz/セラミックレコーズ所属のトラックメーカー・sdhizumi(a.k.a.SDH)によるハウスリミックス。オールドスタイルなディスコサウンドは本epでも随一の「踊れる」音。移調により憂いを帯びた歌声に変わった初音ミクボーカルに、さりげないセンスを感じる逸品である。ミラーボールの下で歌い踊るミクさんの姿が脳裏に浮かびますね。
5.恋のいじわる magical cutie mix remixed by 桃色技術音楽堂
トラックメーカー/DJ集団「OSFC」からネットリリースした「Cutie Magic EP」も好評なガールズポップアーティスト・桃色技術音楽堂(a.k.a. ryouta pinky)によるエレクトロリミックス。可愛いエレクトロポップには定評のある氏の持ち味が存分に発揮されたお洒落でキュートでキラキラなサウンドに胸キュン!音楽に於いても「可愛いは正義」なのだ。
6.恋のいじわる(愛と憎しみは紙一重 Remix)remixed by HASEGAWA4200
オールドスクールテクノ系トラックメーカー/DJであるHASEGAWA4200によるリミックス。303専門レーベル「ACID-GELGE」からも作品を発表している程の、ハードシンセ愛に満ちたトラックに初音ミクの歌声の組み合わせは、歌も含めて全てシンセ音で構成されるというレトロフューチャー感でいっぱい。本作ではRoland MC09とYAMAHA RX8が使用された「初音ミクのハードシンセ武装」。
7.IJIWARU Landscape (kotatsu)
同人音楽サークル「幼女マエストロ」主宰・こたつによるリミックス。前半と後半のギャップに驚かされるが、実は制作中に氏が失恋(彼女に振られる)というアクシデントに遭遇した為である。前半のエレポップ部分が失恋前、後半のオルタナ部分が失恋後の制作であり、正に恋の意地悪、運命の悪戯。なお、ギターは6v6@琵琶湖Pが担当。
8.恋のいじわる(プログラムは恋を知らず mix)remixed by Daisuke Ohnuma
ニコニコ動画を中心に活動する作曲家・Daisuke Ohnuma(a.k.a.大福P)によるミニマルリミックス。海外ボーカロイドの積極的使用や実験音楽など、他のボカロPとは一線を画す作風でも知られる氏の理知的な作家性が反映された本作は、ボーカロイドのメカニカルな本質を強調した異色作。「ロボットのラブソング」とも例えられそうな本作は「初音ミクsings~」というタイトルに遜色ない作品と言えよう。
9.恋のいじわる wBUFFAw edit
本作リリース後に高校生になるという若きエディター・wBUFFAwによるエディット。昨年末公開の「クリスマスギフトedit」以来2作目となる公式エディットである。エディットとは、原曲にドラムを打ち込み、その2ミックスを切り刻むという手法(が代表的)であるが、こういったストイックな手法にしてもやはり良い意味での若い力というものは発露するものだなと実感。原曲の喧騒をより強調した賑やかなサウンドでbe happy!!になりましょう。
10.恋のいじわる -Shoegazer Arrange- rearranged by やまじ
ニコニコ動画を中心に活動する作曲家・やまじによるリアレンジ。タイトル通りのシューゲイザーアレンジであり、ボーカルが鏡音リンsweetへと交替している。やまじの得意とする空間系ギターを中心にした激しいサウンド+リンsweetの切ないウィスパーボイスは感涙必至!リミックスと言うより、カヴァー作品として楽しんで頂きたい。片思いの切なさを止揚した傑作。
Art Work. 中川一
本作のジャケットはイラストレーター/漫画家の中川一によるもの。
ラフスケッチの段階では眼鏡は掛けてなかったミクさんだが、「中川氏と言えば眼鏡っ娘」ということで、この「ちょっと物憂げな文系ミクさん」が生まれたのである。
なお、本稿執筆時点で制作中のTheムッシュビ♂トの4thアルバムでも中川氏にアートワークを担当して頂くことが決まっているので、皆様には是非ご期待頂きたい。
下記に氏の賞歴・活動歴を記す。
○2008年 セルシス「ComicStudio公式コミュニティマンガコンテスト~作品投稿スペースオープン記念~(Ladyflash)」
○2009年 講談社「第10回イブニング新人賞 -The Challenge -(「後先とか考えてみる」)」
○2011年 幼女マエストロ「百萌夜行」(コンピレーションCD)裏ジャケット
そして、当方としては忘れてはいけない活動歴が、実は当レーベル・ポジティヴレコーズのレーベルロゴも氏の仕事によるものである。
着実に活動歴を積み重ねる氏の今後の活躍に更に期待したい。